ひとりひとり書く文章がそれぞれ違っているように、理想的な執筆環境というのもまた人それぞれに異なるものです。しかし、文章を書く人が共通して思っているのは、「書くときに気が散ってしまわないようにするのはとても難しい」ということです。WordPress では、このツールを使うときに何よりも重要な要素である「コンテンツ」そのものにもっとも焦点を当てるべきだと考えています。もっと素早く、もっとシンプルにブログを書けるようにするためのダッシュボードの変更をいくつかご紹介します。
素早い新ダッシュボード
ダッシュボードでまず目に留まる違いは、その見た目です。大きな変更ではありませんが、コンテンツ管理をもっと簡単にするためのちょっとした模様替えが含まれています。左のメニューを少し上に持ってくることにより、親メニュー項目をいくつか展開した際に見渡せるスペースが少し広がります。ヘッダーメニューのサイズも少し調整し、縦のスペースを広げることができました。これで、編集画面の投稿ボックスをもっと大きくできます(ビジュアルエディタでは右下をドラッグしてサイズを変えられます。また、「設定 > 投稿設定」から投稿ボックスのサイズ初期値を変えることもできます)。
さらに、ビジュアルエディタのツールバーアイコンを Ben Dunkle 氏デザインのものに変更しました。ダッシュボードのナビゲーション用アイコンも作った彼のデザインは、画面によりぴったりはまるはずです。また、ヘッダーにあった「新規投稿」ボタンを取り除いた代わりに管理バーへ「新規追加」メニューを加え、もっと素早く簡単にコンテンツを作成できるようにしました。それから、ダッシュボードの操作をもう少し素早くできるようにパフォーマンス改善のための変更も多数加えています。
さよなら IE6
この更新より、WordPress は管理画面の Internet Explorer 6 サポートを終了します。WordPress を IE6 ブラウザでも動くようにするには非常に複雑なコードのトリックが必要でした。このブラウザは公開されて10年経っており、現在の Web 標準には対応していません。マイクロソフト社でさえも、IE6 の絶滅をカウントダウンしているほどです!IE6 でダッシュボードにログインしようとすると、かなり崩れたレイアウトになりますが、アップグレードに必要なリンクとお知らせも表示していますのでご心配なく。モダンブラウザで新しいダッシュボードを見たときはこのような感じです。

IE6 ではこのようになります。

まだ IE6 をお使いの場合はぜひアップグレードしてください!
この更新を加えるにあたって他の古いブラウザも色々と見てみましたが、古いものを使っている人を見ると胸が痛いです。なぜなら、ブラウザを最新バージョンにアップグレードすれば Web 上でもっとすてきな経験ができるからです(そして、もっと安全であることも言うまでもありません)。これから WordPress に古すぎるブラウザでアクセスした場合は、オレンジ色の警告メッセージが出るようになりました。さらに、ブラウザアップグレードのリンクと、ブラウザの選択肢について知ることができる Browse Happy(ブラウズ・ハッピー)サイトへのリンクも含めています。
承認・返信
これはちょっとした改善ですが、かなり便利です。コメントに返信するときだけ承認したいと思うことがあるのですが、そう思う人はけっこういるのではないでしょうか。いままでは承認待ちのコメントをまず承認してから返信する必要がありました。もちろん「承認」リンクをクリックするのは難しいことではありませんが、さらに簡単になりました 🙂 これからは承認されていないコメントに返信するには、「承認と返信」をクリックするだけ。ちょっと使うとくせになる便利な機能です。
文章を書くことに集中できる執筆モード
もうひとつの大きな変更、フルスクリーン執筆モードの大幅な改善もかなり気に入っています。通常の投稿画面では、設定の変更や関連メタデータの追加もできますが、時にはそういった機能に邪魔されず文章を書くことだけに集中したいと思うことはありませんか?今までにもビジュアルエディタにはフルスクリーンモードが付随していましたが、テキストの横幅が広すぎて編集が難しい、ビジュアルエディタツールバーのアイコンが邪魔に感じられる場合もある、ブラウザのズームやリサイズにうまく対応していないといった声もありました。
今回のこの機能の改良は、みなさんにリラックスかつ集中して文章を書いてもらえるようにと思って行ったものです。自信を持ってご紹介したいたくさんの変更があります。見た目はおとなしくシンプルな新機能ですが、実際はとてもパワフルです。
- ビジュアル・HTML エディタのどちらを使っていても、すべてのユーザーが利用できます。アイコンまたは [fullscreen] ボタンをクリックするだけです。
- 集中執筆モードはブラウザの画面全体に現れますが、投稿エリアの横幅は大きすぎず、編集にちょうど良いサイズに収まっています。テーマによってはカスタムエディタスタイルに対応しています。
- 画面をひらくとフォーマットヘッダー が表示されますが、文章を書き始めるとフェードアウトします。上部エリアにマウスを動かすと再度表示されます。
- ビジュアルノイズを最小限にするため、よく使っているエディタアイコンおよびメディア埋め込みアイコンと右上の保存ボタンのみが表示されます。公開する際は右上のリンクから通常のエディタに戻ってください。


- キーボードショートカットに対応
- ビジュアル・HTML エディタモードの切り替え可能
- 心休まるすてきな眺めが楽しめます 🙂
実は今までフルスクリーンモードの編集画面はあまり使っていなかったのですが、執筆集中モードはかなり気に入っています。
ヒント: さらに執筆に集中したいなら、ブラウザもフルスクリーンモードにできます。Firefox または Chrome では、「表示 → フルスクリーン」メニューまたは Ctrl+Shift+F(Windows)、Command+Shift+F(Mac)のキーボードショートカットを使ってください。フルスクリーンを解除するには、同様のショートカットキーを押すかマウスを上部に動かしメニューを表示させます。
この記事は Jane Wells が WordPress.com 英語版ブログに投稿した「Now More Than Ever: Just Write」の訳です。機能について不明な点があればコメント欄または日本語フォーラムでご質問ください。
翻訳: マクラケン直子