2014年からWordPress.comで働いており、私にとっては今までで一番長く勤めた会社なので、いろいろな意味で会社を故郷のように感じることも多々あります。そして先週日曜日の夕方、フィリピンで初開催された「WordCamp Asia」への参加のため、本来の故郷であるマニラへと降り立ちました。

今回開催されたグローバルなWordPressのコミュニティには1,800人近くが参加し、そのうちの約3分の1が地元出身者で、7,107の島々からなるフィリピン全土から集まりました。その熱気に包まれた会場は、私が生まれ育ったマニラの賑やかで活気に溢れた通りを見ているようでした。

フィリピン人はWordPressが大好きで、WordPress.comだけでも毎月何十万もの新規登録があり、WordPressの新規ユーザー数においてフィリピンは常に世界のトップ5に入っています。

今回、「WordCamp Asia 2025」の公式会場となったのは、1970年代のブルータリズム様式で建てられたフィリピン国際コンベンションセンター。大きな建物の中には巨大なホールと吹き抜けの天井が広がり、真っ赤なカーペットこそ地元大学の卒業式と共有しましたが、広大な複合施設のおかげで広々としたスペースを確保することができました。

a fish-eye view of the Automattic booth at WordCamp Asia 2025

公式カンファレンスのスタートを飾ったのは、GutenbergのリードアーキテクトであるMatias Ventura氏による講演。ユーザーに摩擦のない直感的な体験を提供するWordPressが担う未来を、思慮深く刺激的に語っていたのが印象的でした。

続いて行われたワークショップや講演では、ElementorのMiriam Schwab氏によるGPL の基礎や、デジタルマーケッターの河野千晶氏による真に成功する「多言語」WordPress サイトとは何か、武藤敬子氏によるアクセシブルなサイト構築の始め方など、盛りだくさんの内容でした。

金曜の夜には、WordPress.comチームが主催するハッピーアワーが開催され、地元や地域のWordPress.comユーザーとも交流することができました。Nicole Kingさん、Carlo Carrascoさん、George Buidさん、LUBUSのAjit Bohraさん、rtCampのVivek Jainさん、Tom Mortonさん、Vicky Mortonさん、Dikaさん、Diane Feiさん、素敵な時間をありがとうございました。

3日間の祭典を締めくくったのは、WordPressの共同設立者であり、AutomatticのCEOであるマット・マレンウェグ氏によるQ&A。場所は「ミーティングルーム1」と書かれていましたが、通称「Rizal Hall」と呼ばれているとてつもなく広くてエレガントなホール。通称の方がなんだかしっくりきます。

その通称名はホセ・リサール氏にちなんだもの。このホールのほかにも国内の100 万もの建物や学校、通り、さらには都市全体にも名前が使われている事実上の国民的英雄です。彼は19世紀の作家であり、医師でもある多才な人物で、その著作は1896年にスペインの植民地当局に対抗するフィリピン革命を鼓舞し、その発火点となりました。万人のための言論と集会の自由を追求することに人生を捧げた彼の名を冠したこのホール以上に、オープンソースの自由と民主主義に捧げられたカンファレンスを締めくくるのにふさわしい場所はあるでしょうか?

ところで、もしカンファレンスに参加できなかったとしてもご心配なく!上記で紹介したワークショップのほか、ほとんどの講演は、WordPress公式YouTubeチャンネルから視聴が可能です。

「WordCamp Asia 2026」へぜひご参加ください!WordCampは、ディベロッパー、マーケティング担当者、デザイナー、サポートエンジニア、ブロガー、WordPressについて興味がある方など、どなたでもご参加いただけます。WordCamp Centralのサイトより、各地域で開催されるWordCampについての情報をご覧いただけます。

また、アジアにお住まいの方で、来年のWordCamp Asiaへのご参加を検討されている方は、こちらもぜひご覧ください:2026年はインドのムンバイで開催予定!